感想
タイプムーン作品の一つ
タイプムーン作品は一部作品をのぞき、世界観が繋がっています。
本作では、月姫序盤に少しだけ出てきた、「先生」こと、蒼崎青子の学生時代の物語。
タイプムーン作品は、ノベルゲームの中でも特に読みやすい部類のストーリーなので、楽しんで読めました。
ちなみに全キャラフルボイスです。
適度な距離感
主要人物である青子、有珠、草十郎の距離感が、仲間というほど仲良くなく、他人というほど離れていない感じがよかったです。
後述しますが、それぞれの性格が上手い具合にかみ合って、独特なストーリー展開を見せてくれました。
魅力的なキャラクターたち
タイプムーン作品ではよくあることですが、サブキャラもすさまじく個性の強いキャラたちがいます。
実際には、他作品ではほぼ出番のないキャラ達でしょうけれど、見ていて楽しかったです。
メインストーリーだけでなくサブストーリーも豊富
メインストーリーでは青子の姉である蒼崎橙子と戦い勝利するので終わりました。しかし章の途中のアーカイブを見れば、面白いサブストーリーが豊富にあります。
特に面白かったのが、
草十郎がヤバいバイトに関わったと思い、青子が暴走する「カーネーギ事件」と、
本編クリア後に出てくる「誰も寝たりしてはいいけど笑ってはならぬ」が最高でした。
特に「誰も寝たりしてはいいけど笑ってはならぬ」は、人が死んでいるのに、ギャグ要素満載で、ホラー&サスペンスが5割、ギャグが5割といった相反するストーリーだったのが凄かったです。
まぁ最終的にこれは笑い話になるなっと思って私は見ていましたが。
何が凄いって、本当に文章で笑わせにくるがの凄い。笑ってはいけないと言われて見ているので、まぁ面白いものが来るのだろうと思ってみていたら「ぶはっ!」って笑う笑いが多くて驚きました。(神父の死にざまとか)
最終的にそのストーリー内のゲームをクリアしたら全員生き返るので、超シリアスにもなり切らないという良い塩梅でした。
各キャラの感想
蒼崎青子
月姫時系列では、5人の魔法使いの一人として有名な魔法使い。
しかしこの作品では、魔術師歴2年の高校生の少女でした。
私的には、なんでもかんでも破壊する破壊神のようなキャラな印象が強かったのですが、最初から魔法使いというわけではなかったのだなぁっと少し驚きました。
月姫やメルブラで見ていた青子の性格は、良くも悪くも難しいことは考えない単純明快なキャラな印象だったのですが、本作では、割と神経質な怒りっぽいキャラという印象でした。
まぁ高校生時点で、姉御肌といった雰囲気は非常に感じましたが。
久遠寺有珠
魔術師としての青子の相棒であり、師匠のような存在。
基本的に人間嫌いなので、草十郎はもちろん、場合によっては青子にすら容赦のない性格。
初登場時は、人間関係に興味がなく、一人で居たい大人びたキャラかなぁっと思っていましたが、ストーリーを進めるにつれて、かなり印象がかわりました。
お金に割と弱かったり、他人のお金でご馳走を注文したり、水族館で地味にテンション上げたり、何故かペンギンの着ぐるみを着たりなど、中々に人間味のあるキャラでした。
草十郎のことは最初は嫌っているように見えましたが、クリアした後に思い直してみると、わりと最初から草十郎のことを受け入れているように感じました。
静希草十郎
電気すら通っていない山奥から、青子のいる学校に転校してきた少年。
街で見る全てのものが目新しく、電話に驚いたり、見るものすべてに興味を抱いたりします。生活費を稼ぐために、毎日バイトをおこなったりもする苦学生。
町で見る全てのものが新鮮なので「山と違ってそういうこともあるのか」でだいたい済ませます。
だからこそ、魔術を使う人間や、狼に変身する人間などを見ても「そういう人種もいるのか」程度の理解という、現代社会に染まっていないからこその順応性を見せました。
タイプムーンのYAMA育ちは、だいたい異常。そのため、最初から「どうせ何かヤバい技術もってるんでしょ?」と思ってみてました。
実際に、町をすさまじい速度で移動したり、青子と有珠が手も足も出なかった狼男を倒すといった埒外な強さを見せつけました。