アニメ完結したので改めて全シリーズを通して感想を書こうと思います。
各区切り別の感想
訓練兵~巨人覚醒
序盤から、地獄へ向けて全力疾走している雰囲気を感じる進撃の巨人。
幼少期に巨人に家族を、住む場所を奪われて、訓練兵となり巨人を倒すことを決めるエレン。
厳しいながらも仲間たちと訓練をおこない、実践になり死んだ主人公。と見せかけて、巨人となり復活する。
訓練兵時代は大変ながらも学生の雰囲気で進むのですが、巨人襲来から再び地獄が開始された、というのが率直な感想でした。
この時点では巨人とは何か?なぜ巨人たちが襲ってくるのか?などなど、謎しかない地獄といった印象が強かったです。
知性ある巨人たちとの戦い
エレンが巨人化したことにより、巨人のメカリズムを理解するため、さらに現時点で唯一の巨人化可能な存在としてエレンが超重要人物になります。
そして知性のある巨人があり、それが仲間内にいる可能性がある。エレンが巨人化したことにより、そういう選択肢が出てきたこともあり、あぶりだされる巨人たち。
正直、序盤ではお前ら巨人だったのかよ!ってレベルで印象の薄いキャラたちだったのですが、アニが巨人と分かり、ライナー、ベルトルトが巨人となりエレンたちと戦う。
アニたちは、理由がありエレンをさらおうと狙いまくり、何度も何度もエレンは奪われていき、それを助けるために調査兵団が命を懸けて救い出すというのが多かったです。
正直、奪われすぎて、ピーチ姫かよってのは思いましたが、戦力差が違いすぎたからしかたないですよね。
そしてアニが結晶化で動けなくなり、ライナー、ベルトルトは援軍であるジークと共に調査兵団と戦う。この戦いが、一番地獄へ疾走していると感じたところです。
彼我の戦力差がありながらも立ち向かうしかない。エルヴィンの演説が特にそう感じました。
「兵士よ怒れ!兵士よ叫べ!兵士よ戦え!」
そう叫びながら、死への片道切符を持ちながら全力疾走していく姿が凄かったです。
海の向こう側との戦い
エレンの家の地下室。ここを見るために多くの人間が死んでいき、やっとわかった事実とは、海の向こう側の国があること。そして海の向こう側はすべて敵であることがわかったということです。
ここから、一気に世界が広がりました。ここまでは巨人vs人類の闘いでしたが、ここからは海の向こう側の国マーレvsエレンたちのパラディ島との戦いになります。
そして、この時点からエレンの精神が一気に闇堕ちしていき、クレバーに目的を達成する存在となります。敵陣であるマーレに単身忍び込み、本拠地で暴れまくったり、イェーガー派という過激化が生まれたりなど、明らかにミカサやアルミンたちと連携しない単独プレイが多くなりました。
そして、この時点からライナーの主人公化が始まります。大局的に見たら自業自得なのですが、鎧の巨人(何故かいつも壊れてばかりの鎧)として、前線にたち、敵と戦う姿がまさにそう感じました。
最大の巨人、ラスボスとの戦い
誰が思うでしょうか。まさか主人公が最大の敵になり、ラスボスとして立ちはだかるなど。
エレンが始祖の巨人と繋がり、最強の敵として世界に立ちはだかります。
「地ならし」と呼ばれる超大型巨人の大進行によるパラディ島以外のすべての大虐殺。
これの恩恵を受けるのは当然パラディ島。ひいては、ミカサ、アルミンといった仲間たち。
しかし、そんな大虐殺を認めるわけにはいかないと、ミカサたちはエレンと戦う決意をして、マーレ側であるライナーたちと協力してエレンと戦います。
エレンはすべての巨人の王のような存在になり、エレンたちと同じ種族に呼びかけたり、過去の巨人たちを召喚してたたかったり、まさにラスボスといっても過言ではない強さを見せつけます。
そして最後は、ミカサの手で倒されます。
しかしここまでがエレンの目的。エレンが倒れた時点で、
パラディ島以外の人類を排除していき、パラディ島と同程度の戦力しか残らないようにして、巨人化する能力をなくして残った同種族たちへの心理的な脅威を無くし、アルミンを筆頭に、「人類を救った英雄」としてマーレたちの重要人物にさせるというもの。
方向性はかなり違いますが、コードギアスのルルーシュを連想させるエンディングでした。
人類を統一させるのは、大きな巨悪。そして対話へのテーブルを用意するための布石。
エンディングでは残念ながら数千年後にはパラディ島が亡ぶ未来が写されていましたが、少なくともミカサは大往生している描写はあったので、エレンの目的でもある「仲間たちの未来」は守られていたようです。
非常に大きな題材となる作品でした。
私だけでは感じられない色んなメッセージが込められた作品。漫画からアニメまで楽しませて頂きました。