感想
大まかなストーリーはしっていた作品
『スーパーロボット大戦』や『Gジェネレーション』シリーズなど、ガンダムを扱うゲームにおいて、かなりの高確率で参戦している『機動武闘伝Gガンダム』。 そのため、私はこれまでアニメ本編を観たことがなかったものの、大まかなストーリーやキャラクター性はすべて知っているつもりでした。
しかし今回、まとまった時間を取ってとうとう原作を全話視聴したのですが……ゆっくりと腰を据えて観てみたら、自分が抱いていたイメージが覆る、新鮮な驚きの連続でした。
原作を観て激変した、主要キャラへの印象
一番の衝撃は、キャラクターたちの性格が自分の印象とまったく違っていたことです。 なぜそんなズレが起きていたのかを論理的に分析すると、「多くのゲーム作品では、物語が終わり、精神的に成長しきった状態のドモンたちが仲間になるから」でした。作中での「視聴前」と「視聴後」のギャップは以下のようなものです。
■ ドモン・カッシュ
- 視聴前のイメージ: 冷静沈着で物静かな、完成されたクールファイター。
- 視聴後のリアル: 割とチンピラ気質で、何かと拳で解決しがち。デリカシーがなかったり、すぐに感情が爆発したりと、良くも悪くも泥臭いティーンエイジャー(10代)そのものでした。だからこそ、後半に向けて彼が人間的に成長していくドラマが最高に響きます。
■ 東方不敗・マスターアジア
- 視聴前のイメージ: 常に完璧で厳格、敵としても圧倒的に強大で冷徹な最強の師匠。
- 視聴後のリアル: 強いのは間違いないのですが、物語の途中では明らかに「小物っぽい悪役」のようなムーヴを見せる泥臭い一面も。その一方で、戦闘が絡まなければドモンに対して親戚のオジサンか父親のように優しい表情を見せることもあり、非常に人間味に溢れた魅力的なキャラクターでした。
宇宙世紀の直後としては狂気的な「身体能力」
東方不敗をはじめ、ドモンやシャッフル同盟の仲間たちの生身での身体能力がとにかく異常です。 布切れ一枚でモビルスーツを破壊したり、ビルを素手で蹴り飛ばしたり……。
格闘技の粋を超えて、チボデーが拳から気弾を飛ばしたり、ジョルジュが「ローゼスハリケーン」さながらの気の嵐を巻き起こしたりする描写は、今観ても圧倒されます。 『Vガンダム』までのシリアスな宇宙世紀シリーズが一段落した直後の作品であることを考えると、当時のアニメ史的にも、そしてサンライズ的にも、相当に攻め切ったストーリーだったのだろうと感心させられます。
「まるでガンダムのバーゲンセールだな」といわんばかりにガンダムが出てくる
従来のガンダム作品において、「ガンダム」とは1号機や2号機といった一品物の特別なステータスであり、量産されるようなものではありませんでした。
しかし本作は、まさにガンダムのバーゲンセール。世界各国の多種多様なガンダムがこれでもかと登場します。 各国の文化やステレオタイプが色濃く反映されているのですが、まるで『キン肉マン』の超人のように、「あの国はこれが有名だから、安直にこれをモチーフにしよう!」というデザインがあまりにも多い。現代の価値観やコンプライアンス(倫理観)の中で同じことをやったら色々と怒られそうだなと感じる部分も多く、「あの時代(90年代)の熱量だからこそ許され、成立した奇跡的なバランス」だったのだと実感します。
総評:食わず嫌いしているゲーム世代にこそ観てほしい
知っているつもりで未視聴だった『Gガンダム』ですが、いざ全話を完走してみると、単なるお祭り騒ぎの格闘アニメではなく、男たちの熱い生き様、キャラクターの精神的成長、そして直球ストレートな人間ドラマがこれでもかと詰まった大傑作でした。
「スパロボでストーリーは大体知っているから」と思っている人にこそ、ぜひあのドモンの泥臭い初期状態から、師匠との決着、そしてラストの輝きまでをアニメ原作で体験してほしいと思います。

良い体験でした。これはGガンダムのファンが多いのもうなずけます。
