感想
将棋がテーマとなる作品
中学生の時からプロとして将棋の世界にいる高校生の少年のお話。
こう聞くと天才棋士なのだと思いますが、ストーリーを見る限り、プロの中でも弱くはないが突出して強いというイメージはない少年と言った感じでした。
もちろん、プロなので一般人や、周りの人間たちよりも遥かに優秀なのは確かなのですが、生きるための術として、将棋を学んだなど、かなり込み入った事情があったのも確か。
全体的に、将棋を知らない人でも十分に楽しめる、日常作品&将棋作品といったストーリーでした。
後半になるにつれて面白味が増す
序盤、正直何度か読むのやめようかってレベルでシリアスでした。
主人公を見て思ったことが、手負いの野良猫といった印象。作品中でもヒロインが同じような事をいっていましたが、一人で生きていこうと頑張って、ボロボロになりながら生きているって印象が非常に強かったです。
ただ、ストーリーが進むにつれて、少年らしい感情が芽生えてきたりなど、主人公の成長を喜んでみれる作品だった、というのが一番大きかったです。
周りにいる人たちが非常に良い人たちだったというのも、良かった点の一つです。
作中の中盤辺りで吹っ切れた後あたりは、もう、メンタル無敵かよってレベルでド天然最強メンタルをみせてくれました。
主人公だけに視点が向くわけじゃない
主人公以外の視点のほうがむしろ多いのではないかと思えるくらい、ヒロイン、サブキャラクターたちのストーリーが多いです。
それによって、非常に引き込まれるストーリー展開として楽しめてみれました。
シリアス部分はかなり重い
現代日本の日常を描いたッといった感じでシリアスなストーリーが展開されることがありました。
いじめ、毒親、大人になり切れていない大人たち。
現代日本でも余裕でありえるな。そう思えるストーリーでした。
まぁ途中辺りから主人公のメンタルが強すぎて、なんだかんだ主人公が解決してくれそうだなっという不思議な安心感がありましたが。
いじめを見て見ぬふりする大人の気持ちとか、正しくはないんだけれど、気持ちはわかるといった風に、大人の視点で見てしまう部分も多かったり、登場人物たちの気持ちが、手の届かない感情ではない所が凄かったです。(さすがに毒親の気持ちは一切分かりませんでしたが)
将棋やリアルな日常系の作品が好きならば、おすすめできる作品です。