2017年から連載されていたDr.STONEがとうとう完結しました。
正直、この漫画が始まってからは週刊少年ジャンプの中では一番ワクワクしながら読んでいた作品です。
簡単なあらすじ
ある日、人類はすべて石化した。そして見えない、聞こえない、そんな暗闇の中、3700年後、二人の少年の目覚めからストーリーは動き出す。
科学大好き少年、千空。
千空の幼なじみで体力バカの少年、大樹。
文明もすべて失われて、あるのは原始的な世界のみ。
そんな世界でも、千空は科学ですべてを復興させようとする。
科学に心を奪われ、少年の心を忘れず、科学の力を信じる少年の歩みの物語。
「揃るぜ、これは!」
感想
この漫画は、私たちが日々受けている科学の恩恵や、科学の可能性を教えてくれる漫画だと思います。
週刊少年ジャンプの作品なだけあって、「友情、努力、勝利」を忘れずに、尚且つ色んな科学の話が出てきても、コミカルにわかりやすく進めてくれる漫画でした。
千空はすべて完璧にこなせる人間ではありません。体力や力はないが、それは他人を頼ると言う術(すべ)を持っています。そして得意分野の科学でもトライ&エラーの繰り返し。
一つの科学作品に取り掛かるのでも数年単位で行うのも当たり前ですし、失敗のたびに躓くこともあります。それでも、ただひたすらに科学の力を信じて突き進む
「科学で分からないこともある」じゃねぇ。わからねぇことにルールを探す。そのクッソ地道な努力を科学って呼んでるだけだ!!
千空は凄まじいリアリストですが、クリスマスの時にクリスマスツリーにイルミネーションをつけたり、所々人情味あふれる描写があるのが非常に好みでした。
ちなみに本作品には外伝として「Dr.STONE reboot:百夜」という作品がありますが、最終話を読んで、そういうことか!っていう描写がありました。作品の展開が凄まじく上手い作品と思いました。
作中の科学作品お気に入り
眼鏡
私自身が眼鏡をかけて生活しているため、すごく感動したのが眼鏡の開発です。
科学を失った村の少女、スイカが「ぼやぼや病」と呼ばれる目がぼやけて見える病気に対して、千空は
「それは病気じゃねぇ。欠陥でもねぇ」って言ってくれたのですが、これが凄く響きました。
眼鏡なんて、私たちは当たり前のようにかけていますが、昔はなかったんですよね。そんな時代の人たちからしたら、世界はぼやけて大変だったでしょう。
それを人類は眼鏡の開発によって、解決した。
先人達に感謝ですよね。本当に。
電気
千空は科学文明が滅んだ世界で、一からすべてを作り出し、途方もない時間をかけて、「電気」を生み出すところまで進めました。
最初の電気の使い道は「エジソンの電球」。それは原始世界において、科学の新たな出発を感じる描写でした。
私たちは日々の生活において電機はなくてはならないものになっていますが、電気を作る装置を一から作れって言われても、当然不可能です。仕組みを知っている人でも、その仕組みを作る道具すらないのですから、途方もない時間がかかると思います。
それを漫画らしい簡潔な描写で、何が必要か、何を行えばよいのか、一般人にもわかりやすく教えてくれるのがこの漫画の素晴らしい事だと思います。
ガラスのレコード
千空が作ったのものではありませんが、千空の父親、百夜が残してくれたガラスのビンの底から作った、ガラスのレコードです。
千空の父親、百夜はとある理由により石化を免れていたのですが、当然、石化している千空よりも先に死にます。
そのため、未来の息子に向けてメッセージを残すためにガラスのレコードで自分の声を入れて、父親から息子への最後のメッセージを入れます。
レコード内には、作中の歌姫 リリアン・ワインバーグが歌を残します。
この部分をアニメ化するときに、私は非常に心配していました。すべての人が心を打たれる歌なんてできるのか?と。
実際にアニメで聞くと、凄まじかったです。歌詞は英語なのに、スっと自分の中に入ってくるような存在感。アニメでは「One Small Step」という音楽でした。
気になる方は一度調べて聞いてみてください。
漫画連載当時から毎週楽しみに読んでいた作品が完結となりました。
26巻の発売で最終巻とのことで、良い塩梅の長さで終われたのではないかと思います。
科学の可能性を感じる、素晴らしい作品でした。