【小説】第七魔王子ジルバギアスの魔王傾国記

簡単なあらすじ

幼いころに魔王軍に故郷を襲われ、家族や幼馴染を殺された勇者アレクサンドルが魔王に挑み、敗北して殺される。そして死後数年たち、その魔王の息子ジルバギアスとして転生する。
もう一度、魔王を殺すチャンスが出来たと思い、表向きには魔族の王子として、裏では勇者として、魔王軍をどう壊滅させようかとする、そんな話

感想

  • ジャンルとしては転生物
    ただし、異世界転生ではなく、同じ世界の別種族としての転生。
    巷に溢れている異世界転生とはまったく違うジャンルだと思います。
  • 禁忌という権能
    主人公であるジルバギアスは5歳の時に魔神アンテンデイクシスと契約して、禁忌を犯すたびに強くなるという力を与えられます。

    これがまた、シンプルに荊の道を進む能力でした。一口に禁忌と言っても、概念として禁忌なだけではダメというのがまた辛い。
    守るべき人間種を殺したり、昔から世話になった部下を殺したり、主人公の気持ちとして、禁忌と認識しないとダメという設定でした。

    例えば、誰かを殺しても何も感じない、特に心が動かされないとなれば、それは本人としては禁忌になりえない。本人が、心の底から禁忌だと思っているものにたいして、一線を越える時にこそ、力が強くなるという、どうあがいても主人公がボロボロになる未来しかないであろうというのが見て取れました。
  • 本作では勇者というのは役職である
    一般的に勇者と言えば1人、もしくは少数しかいないというのが普通でしょうが、読んでいる限り、1つの街に1人くらいは最低でもいるような雰囲気だったので、絶対数としてはそこまで多くないとしても、希少な数かと言われたらそうでもないようでした。
  • 主人公の成長具合が凄い
    まぁ前世でも力がない人間として、色々と努力で強くなった主人公なので、いざ強くなる機会があればドンドンと強くなります。本編では、一応6歳なのですが(笑)
  • シリアス一辺倒なストーリーではない
    ストーリーとしては基本的にシリアスが続いているのですが、ところどころにクスっとなるギャグシーンを入れたり、かといってシリアスシーンでも読みにくいと聞かれたら、そこそこスラスラと読めるので、ストレスフリーで読めました。

    ただ、ストーリーはどっちかという大人向けというか、子供には見せられねぇな。という残虐性の高いストーリーもあったので、読者層は少し高めを意識しているのかもしれないと感じました。

原作小説

第7魔王子ジルバギアスの魔王傾国記(甘木智彬) - カクヨム
勇者よ、守るべきものを踏みにじれ。
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